「ヴー」
私のスマホから一つの通知がきた。

「午後2時30分に体育館集合」 
と書かれていた。おそらく黒条くんが言っていたゲームをするのだろう。

「なんのゲームやるんだろうな」
黒条くんは私のスマホを覗いてそういった。

「なんか凄そうだよね」
私は少し不安になりながらそう言った。まだ会った数時間しかたっていないのに距離があまりにも近くて内心ドキドキした。

「そろそろ体育館行こ」
黒条くんに言われて私は体育館にむかった。
沢山の人が体育館に集まって話している。この人たちもデステニーによって選ばれた人と想像すると、親近感がわく。ステージに七海夫婦があがってきた。

「諸君 集まってくれたようだね今から特別ゲームを始める‼︎」

「特別ゲームって何すんだろうな‼︎」
「楽しみ!」
他の生徒がワクワクしてそう言った。

「どんなゲームだろうね黒条くん」

私がそういうと少しくもった顔をして、
「、、、そうだな」
と言った。

「それじゃあゲーム内容を紹介するわ」
「題して執事ゲーム!」

、、、執事ゲーム

「ルールは簡単よ」
「用紙と抽選箱があるから、"それぞれ自分が王様になったときの命令"を書いて、書いた用紙を抽選箱にいれる、、、」

「そしたらくじで執事を決めてね。ゲームの結果決まった執事が抽選箱から出てきたお題を言う。というルール」

「SNSでよりいいねをもらったカップルを優勝とし、6000ポイントあげるわ♡」

「それじゃあ諸君この特別ゲームを楽しんでくれ!!」

すると七海が少し笑って

「"誰が書いたか分からない"ここが執事ゲームの面白い所よ」

誰が書いたか分からない、、、ってことは
何書いてもバレないってこと⁉︎

「、、、黒条くん?」
心配そうに黒条くんの顔を見た。
すると死んだ目をしている黒条くん。

「絶対、、、こんなの変だろ、、、こんなゲーム。」
「まぁでも大丈夫だよ!、、、たぶん」
安心させるために笑顔でそう言った。
「お前のその謎の自信はどこから来るんだよ」
呆れたように言われた。

「じゃあ6人チームを組んでくれ」
七海夫婦が嬉しそうにそう言った。

「グイッ」
黒条くんに腕を掴まれ、
「さっさとチーム組むぞ」
「誰と組む?」
全然黒条くん以外の生徒と話してないし、

「?組みたいやついたのか?
近くにいたやつと組もうと思ったんだけど」

黒条くんに不思議そうに言われた。
「いや、、、別にいないけど」
なら適当な奴でいいなとボソッと言った。

「あっ! あの!」
近くの青髪の人に声をかけられた。

「僕達とチーム組みません?」
「私はいいけど、、、。黒条くんは?」

小さな声で聞いてみると
「俺も別に、、、」
少し冷たく言われた。
「いいですよ!」
青髪の人に答えた。

「いいって!"瑠璃ちゃん"」
「瑠璃?」
、、、誰?

「よろしく僕が渚(なぎさ)で、この子が瑠璃(るり)ちゃん」
瑠璃って子がぺこりと頭をさげた。

「よろしくお願いします。私は怜で、隣にいるのが黒条くんです。」
すると黒条くんはプイッと右を向いた。

ツンデレなのか?この人? 
「じゃあ渚。あとの2人どうする?6人チームだろ?」

「それは安心して!もう決めてあるんだ!」
「?」
渚くんがそう言うと

「決まった?渚」

渚くんの後ろからひょこっと女の子が出てきた。

「男?その子」
私に指をさされた。
、、、自分女の子です。

「すみません女です」
申し訳なさそうにいった。
こんな見た目ですもんね。

「え。ごめん。謝るよ」
「自分 柚葉(ゆずは)で隣にいるのが蓮(れん)」
よろしくと自己紹介された。

「よろしく柚葉ちゃん。蓮くん。私怜。」
「柚葉でいーよ?」
と言われた。結構ボーイッシュな子だな。
「俺 黒条、、、黒条瑠依」
「OK 瑠依ね」

瑠依?え?呼び捨て。私ですら黒条くんなのに
すごいなこの子
「よろしくな柚葉」

これから始まる執事ゲームやはり不安しかありません。