最初で最後の片想い

「おなまえは?」
「もえ。さくらもえ」
「もえちゃんかぁ。ぼくはね、」
僕は?僕の名前は?
「……ー!そろそろ帰るよー」
「はーい!」
遠くから女の人の声がして、それに男の子は元気よく答えた。
「あ、たちこぎだけみせてあげる!」
そう言うと男の子は私の手を引いて、2つしかないブランコの隣同士に座った。
「わぁー!すごいね!かっこいい!」
「でしょ。じゃあまたあそぼうね!もえちゃん!」
手を振ったあと、男の子はお母さんと手を繋いで帰って行った。
次の日から、来る日も来る日も公園のブランコに座って待っていたけど、男の子が公園に来ることはもうなかった。