「あ、ラン。もうこんな時間。HR始まっちゃうよ、早く帰んないと」

私はランを押し出すように教室のドアから外に飛び出した。



すると――。


――どしん。




その拍子に誰かとぶつかってしまった。



めがねが――。


そのはずみで飛び上がり、宙を舞った。



「ごめん、大丈夫だった?」

私はブレザーの胸に顔をうずめていた。

その人のエンブレムが目に入った。

「すみません。私が飛び出したから…」