「え…」

まさか言えるわけない。

すっかり困ってしまった私はランを納得できる言葉を捜す。

「わかった、おばさんでしょ!」

「あ…」

思いがけずランの方から言葉が出た。

お母さんが眉毛のカットしてくれたわけじゃないけれど、まさかちがうとは言えなかった。

「おばさん、アヤの髪もカットしてるんだもんね。眉毛くらいお手のものなんでしょ」

「まあ…ね」

「金曜日の夜久しぶりにあたしに会ってさ、女子高生の普通がわかったんだね、きっと。私ってアヤの恩人じゃん!」

ランは満足そうに何度もうなずいていた。