「へえ、なんか面白い」

男はやけに嬉しそうに笑う。

そして車のエンジンをかけた。



「どこ、行くんですか?」

急に不安がこみ上げてきた。

隣の男は変態でお金持ち。

何をするかなんて予想がつかない。

もしかしたら…。

私殺されてしまったりして。

ど、どうしよう。

やだ、まだ死にたくない。

「怖い?」

男は私の反応を楽しんでいるみたいだった。

それが悔しくて、私を強気にさせる。

「いえ、ちっとも」