と、隣のマンションの男!!

私は驚きのあまり声を出すことも忘れ、目を見開くことしか出来なかった。

男はそのまま私の隣に腰を下ろし、親しげに笑いかける。

「雑誌読んでたの?」

まずい。

自分が何を読んでいたのか知られたくない。

特にこの男にだけは。

私はあわてて、そのページを閉じた。

「ふうん。興味あるんだ」

男の声が右側から聞こえる。

しまった、見られた!

私は恥ずかしさのあまり、顔を上げることができない。

ただただ自分の体温が上昇していく。

頬もそして耳も、きっと真っ赤に色を染めていることだろう。

胸のドキドキも激しくて、隣の男に聞こえてしまいそう。