【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~

「まあいいの。ファッションとかはどうだって」

ランはぺらぺらとページをめくると「ここ、ここ!」とはずんだ声でその手を止めた。

こ、これは、もしや…。

どくん、どくん、どくん…。

心臓の音が聞こえてきそうだった。

私は必死に平静を装うが、すぐ隣にいるランのことまではごまかせない。

ど、どうしよう…!!

私が動揺しているのに気づいて、ランは満足そうに笑う。

「何びびってんの。こんなの常識だよ」

ランが開いたページは『ティーンズ初体験告白♪』というタイトル文字が躍っていた。

「せっかくだから、この特集読んじゃいなよ」

「え…でも」

「大体いまどき、セックスのセの字も知らないなんてアヤくらいなんだからね。私は従姉妹として見ていられません」

ランは勝ち誇ったかのように笑う。

「こういうのを読んで予習しておかないと、いざってときに心の準備が間に合わないでしょ」

「…ランだって経験ないくせに」

私はぼそっとつぶやく。

「ないわよ、そりゃないわよ。だから普段から勉強に抜かりはないの」

そっちの勉強じゃなくて、ちゃんとした勉強をしろ!と突っ込みたかったけど、絶対に逃がさないわよ!というランの剣幕に押され、それ以上の抵抗ができなかった。