「アヤ~、テストどうだった?」

いきなり背中をぱしんと叩かれた。

「あ、ラン…」

ランは従姉妹。

近所に住んでいて、学年は一緒。

クラスは違うけどね。

「ちょっと大丈夫? 顔色悪いよ」

「うん、昨日ほとんど寝てないから」

「やだ、まさか徹夜で勉強したとか言わないでよ!」

ランが目を丸くして、大声を上げた。

「とにかく、出来は最悪。二位すら危ういよ」

昨夜はあれから勉強なんか手につかなくて、かと言って眠ることなどできず、結局気がついたら夜が明けていた。

「えー、まぢ?」

ランの目が輝いている。

「なんか嬉しそうじゃない?」

「だって、これで麻生くんの一位が確定したってことだもん」