「アヤちゃん、僕たちの未来に乾杯」
かつんともう一つのグラスを合わせ、彼はグラスに口をつける。
グラスは傾けられ、その中身は彼の喉の奥深くに吸い込まれていく。
彼の喉の突起が小気味よく上下していた。
「さてと…」
空のグラスをテーブルに置くと、彼はこう切り出した。
「僕らの思い出話って言ったらいいかな…」
僕らって…?
「前にさ言ったじゃない。僕は社長に拾われたって。それでメイクアップアーティストになったって。ちょうどマコが生まれたころだよ。中学を出たばっかりだったけどさ、高校も行かずぶらぶらしてた。父親がさ、めちゃくちゃ殴る奴でさ。気に入らないことがあるととにかく暴力を振るってさ。もっと早く、家を出ればよかったんだろうけど、母さんがいたからね。僕がいなくなれば母さんが暴力を振るわれる。それが怖くて家を出ることができなかった。でも、そんな頃母さんが死んでさ。僕が家にいる意味はなくなったってこと。で、渋谷でチンピラの真似事みたいなことをしてるときに、社長に出会った。這い上がりたくないかってくどかれてさ…」
私が逃げることがないと安心したためだろう。
RYOさんはすっかりリラックスした様子で饒舌だった。
かつんともう一つのグラスを合わせ、彼はグラスに口をつける。
グラスは傾けられ、その中身は彼の喉の奥深くに吸い込まれていく。
彼の喉の突起が小気味よく上下していた。
「さてと…」
空のグラスをテーブルに置くと、彼はこう切り出した。
「僕らの思い出話って言ったらいいかな…」
僕らって…?
「前にさ言ったじゃない。僕は社長に拾われたって。それでメイクアップアーティストになったって。ちょうどマコが生まれたころだよ。中学を出たばっかりだったけどさ、高校も行かずぶらぶらしてた。父親がさ、めちゃくちゃ殴る奴でさ。気に入らないことがあるととにかく暴力を振るってさ。もっと早く、家を出ればよかったんだろうけど、母さんがいたからね。僕がいなくなれば母さんが暴力を振るわれる。それが怖くて家を出ることができなかった。でも、そんな頃母さんが死んでさ。僕が家にいる意味はなくなったってこと。で、渋谷でチンピラの真似事みたいなことをしてるときに、社長に出会った。這い上がりたくないかってくどかれてさ…」
私が逃げることがないと安心したためだろう。
RYOさんはすっかりリラックスした様子で饒舌だった。


