「だからリセットする以外、方法はなかった。でも…。沢木さんは僕と恋に落ちてはくれなかった。だから、もう僕には術がない。僕が浄化するためには死を選ぶか、それとも、狂った自分自身を受け入れて父親と同じ闇にはまっていくしかないんだ」

「そんなこと、おかしい。おかしいよ」

「ねえ、沢木さん。僕の闇を受け入れてくれるかい?」

異様に光るあの目が私を捕らえていた。

ぞくぞくとするほど不気味で、ううん、私は魅惑的だと感じてしまった。

「沢木さん、僕と落ちていこうよ…」



きっと…。

ランはこんなふうにして彼に落ちてしまったのだろう。

それとも彼を救おうとしたの?



ねえ、ラン…。






「初めてのエッチは…」



屈託のないランの笑顔がフラッシュバックした。