【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~

「僕が生きている?」

「だから、血が流れる。だから、痛くなる。だから、今、泣いているんでしょ」

「生きているのかもしれない。でも、僕は生きてなんかいたらいけないんだ…」

「どうして? なんでそんなこと言うの?」

「僕はおかしいんだよ。僕は、ちゃんと人を好きになって、その人を愛したいって考えているのに、もう一人の僕がひどいことをしようとするんだ」

「それって…ランのことを言っているの?」


背中に冷たい汗が流れていた。

大好きな麻生くんにひどいことされて…。

かわいそうなラン。



「違う…」


違うって、じゃあ、それはリサコさんてこと?


「沢木さんだよ。君のことだよ」