【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~

「大丈夫、大丈夫だよ…」

ポケットから取り出したハンカチで彼の傷口を縛る。

そして麻生マコトを胸に抱き、その背中をさすり続けていた。



あんなに恐れていた麻生くんが、今、赤ん坊のように無防備なまま私の胸の中で嗚咽している。

――麻生くん、いったいどうしたの…。

こんな奇妙な状況で、私はジグソーパズルのピースを記憶の片隅から必死に集めようとしていた。

RYOさんが言っていたことはやっぱり本当なのかもしれない。



過去に大きなトラウマがあるとすれば、目の前の彼の状況にもうなずける。



「麻生くん…」