【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~

「麻生くん!!」

ドアの向こうに見えたのは信じられない彼の姿だった。

ソファーに倒れこむ彼の顔色はすっかり血の気を失っている。

長い前髪に隠れてしまってその表情まではわからないが、半開きになった口元は今までみたことがない。

そして左手がだらりと肘掛に投げ出され、彼の白い腕がむき出しになっていた。




体が震えていた。

普通でないこの状態をなんとかしないといけないのだが、恐怖のあまり身がすくむ。



「あ、麻生くん…」


つぶやきにも似た小さな声をなんとか搾り出し、私は現実を見つめようとこの光景をあえて凝視した。