それでも10日たったある日、私は意を決してランの家をたずねた。

「おばさん、どうしても仕事を休むことができないの。だからぜひ見舞ってやって。アヤちゃんが来ればきっとランも元気になれる」

おばさんから強く望まれて、私は腰を上げた。

でも本当は怖かった。

彼女の口から何を語られるのか聞く勇気がなかった。

それに、傷ついた彼女の姿を見るには忍びなかった。