【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~

「嘘! やめてよ、そんな冗談しゃれにならないから」

重苦しい空気の中、私のセリフが空回りする。

一方、RYOさんは表情一つ変えない。

「やだ…嘘だよね」

眉間に深く寄せられた皺が時折歪んだ。

その表情が私を絶望させる。

「だってありえないでしょ。麻生君はまだほんの子どもだったんでしょ。父親を殺す理由もないし、殺す方法だって考えつかない!」

呼吸が乱れる。

恐ろしい映像が次から次へと頭の中に流れ、止めることができない。

「子どもだから殺意がないなんて、甘いよ。子どもだからこそ、その殺意はまっすぐで修正がきかないってことだってあるんだ」