【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~

「まるで復讐みたい…」

小さく言い放った私の一言を麻生君は聞き逃さなかった。

さっきまでの冷たい微笑みはその表情からすっかり姿を消し、かわりに現れたのは鬼の形相だった。

「沢木さん、それはどういう意味?」

彼の豹変振りに驚き、私は声を失った。

両肩をがっしりつかまれ、ぶんぶんゆすぶられる。

「やめて…」

「勘違いするなよ。おまえなんか、おまえなんか。俺と対等に口を聞こうとすること自体まちがっているんだ」

く、苦しい…。

麻生くんの手が私の喉元にかかる。

「た、たすけて…」

「あいつが気に入りさえしなければ、俺はおまえなんか相手になんかしなかったさ」

「…う、うぐ…」

「そうだよ、おまえの言うとおりだよ。俺は復讐してるんだ」



あいつって…?

あいつって誰?



遠ざかる意識の中で私が助けを求めたのは、悔しいけど、やっぱりRYOさん、あなただった。