【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~

「ラン! しっかりして!!」

ベッドに駆け寄り、彼女の体を揺さぶる。

体が温かかったことに少しだけ安心したが、彼女は相変わらず人形のようだった。

私の声に反応を示さない。



「麻生くん!」

私は振り返り、麻生マコトをにらみつけた。

「ランに…ランに何をしたの?」

怒りがこみ上げてくる。

抑えきれない。

こんなことは初めてだ。

「人聞きが悪いね。彼女が勝手に僕に近づいてきたんだよ」

「嘘!」

「嘘なんかつくものか。だって沢木さんだって知っていただろ。彼女が僕に好意を寄せていたってことくらい」