【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~

「それじゃあ…」

「ええ。その事故で主人は亡くなってしまったの」

「麻生君は…、麻生君はどうなったんですか?」



突然の事故で父親を亡くしてしまった彼の身を案じた。

父親を慕っていた麻生君だ。

どんなに悲しかっただろうか。



「マコは、そうね、私の前で涙を見せなかったわ。もちろん隠れて泣いていたのかもしれないけれど」



悲しみをこらえ気丈に振舞った小学生の麻生君を想像してみた。

それだけで、胸が締め付けられる想いがした。



「麻生君は、お父さんが亡くなったせいで変わってしまったんですか?」