私は一階のリビングに通された。

ロココ調というのだろうか、マリーアントワネットの世界がそこにあった。

白い大理石の床、華奢な脚のテーブル、壁一面の大きさのコレクションボード。

すべてが繊細で上品なつくりとなっている。



「紅茶でいいかしら」

私がうなずくと、そのコレクションボードの中から花柄のカップを取り出した。

高価そうな食器を普段使いする生活レベルを想像する。



――お金持ち。



エグゼクティブマンションに住むRYOさんの顔がちらついた。