「麻生くん…、私、今日で最後にする」

「え…どういうこと?」



土曜の午後、私はいつもと同じように麻生くんの家に出かけた。

コンタクトレンズをして、勉強道具を持って、いつもと同じ。

でも、一つ。

たった一つ違うのは、それが今日で最後っていうこと。



「私、好きな人がいるの。それにちゃんと気づいたの。だから、だからもうここには来られない」

私は自分のことに精一杯で気づいていなかった。

麻生くんの表情がいつもとは違っていたことを。