「アヤちゃん…」

正面に座っていたはずのRYOさんがいつの間にか私の隣に座り、私の髪を優しくなでる。

「言いたくないんならいいんだ。僕はね、君が泣くのはいやなんだ」

RYOさんの香りが鼻をくすぐる。

シトラス系の爽やかな匂い。

それが私を余計に苦しめる。

「RYOさんは悪くない」ってせめられているような気がした。