「アヤ…」

学校帰りRYOさんのマンションへと急いでいると後ろから声をかけられた。

「ラン!!」

こうして面と向かって口を聞くのはいつ以来だろう。

同じ学校に通っているのに、私はランと顔をあわせることがないままでいた。

「ちょっといいかな」

陽が傾いているせいだろうか、ランの顔色は冴えなかった。

というよりいつものランじゃなかった。

「いいよ」

そう答えたものの、私の胸は不安で押しつぶされそう。

だって私、ランの気持ちを知っていたのに、麻生くんの家に週末通い続けている。

しかも、告白までされた。