【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~

「な、なんで…?」

「なんでってこっちが聞きたいわよ。麻生くんは一位以外とったことがないのよ。こんなのありえない!」

「体調でも悪かったんじゃ…」



私の順位が下がったのには理由がある。

きっと麻生マコトにも何か事情があったんじゃないだろうか。



「あ、麻生くん!」

女の子たちの黄色い声が沸きあがる。

階段を下りてきたのは、この騒ぎの原因の張本人、麻生マコトその人だった。

「大丈夫、麻生くん」

「体調悪かったんでしょ」

「麻生くんの実力じゃないわ」

ほとんど涙目で見つめる女の子たちに、麻生マコトは一人一人笑いかけながら「心配しないで」と言うようなしぐさをしてみせた。

隣にいたランも、他の子たちには負けるものかとばかりに

「麻生くん、かっこいい」

とどさくさにまぎれて告白めいた発言をしてみせた。