麻生君は二階にある自分の部屋に私を招きいれた。

この部屋も広かったけど、さっきの玄関に比べると割と地味だったのでちょっと安心する。

「沢木さん、ここに座って」

真ん中にダイニングテーブルが置かれていて、その椅子をすすめられた。

落ち着かない気持ちでいると麻生くんがこういった。

「コンタクトにしたんだ」

「あ…うん。でも週末だけ」

「すごいいいよ。かわいい」

「ありがと…」

こんなふうに真正面でほめられると私はどうしたらいいかわからなくなる。

恥ずかしくてまともに麻生くんの顔が見れない。

「学校でもコンタクトにしたらいいのに」

「私、そういうキャラじゃないから」

「なんで、もったいない! こんなにかわいいんだもの。もっとアピールしたらいいじゃない」

「だって…」

私の内面はちっとも変わっていない。

内気で自信がなくて、どこかおどおどしている。