RYOさん…。

涙が止まらなかった。

引き止められるなんて思ってもいなかったから。



それに、彼の中で私の存在が大きくなっていたなんて。

そんなこと言われるなんて思ってもいなかった。

どうでもいい女の子の一人で、いらなくなったらはいさようなら。

その程度の存在だって思っていたから。



こんなに胸がいっぱいで切ない気持ちなのに、どこかほろ苦い気持ちを拭い去ることはできなかった。

理由はわかってる。

彼の手紙の最後の一文だ。



こんなふうに動揺してしまうのはきっと熱のせい。

おかしいよ、私。

あんなことした彼を受け入れようとしているなんて。