【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~

――三日後。



「試験の結果貼り出されたよ!」


毎回定期試験のあとには、各学年の上位二十名が発表されることとなっていた。

職員室の廊下にがやがやと押し寄せる生徒たち。

黒山の人だかり。


「エー、嘘!」

「なんで?」

「信じられない」


どよめきが起こる。



あーあ、きっと私のこと言ってんだ。

最悪。

勉強しかとりえがないのに、今回の試験は玉砕だもの。

私は人だかりのいちばん後ろの方で小さくなっていた。



「ちょっと、アヤ!」

ひょいといきなり現れたランが私の腕を引っ張る。

「ラン…。もう何も言わないで」

泣きたい気分。

屈辱だよ。

「もう信じられない」

「信じられないって、ランにしたらよかったじゃん」

そうだよ、大好きな麻生くんがダントツ一位になれたんだもの。

「ぜんぜん、よくない!」

ランの声がひときわ大きく響いた。