【完】大人の世界~甘美な毒に魅せられて~

それに…。

RYOさんのことは好きだけど、『好き=SEX』という図式はなんだか違う気がする。

たぶん私はRYOさんのこと、LIKEであってまだLOVEには到達していない。



眠れなかった。

まだRYOさんの手の感触が体に残っていて、まるで違う自分のようで。

私は何度も寝返りを打ちながら夜をすごした。



窓の向こうにはRYOさんがいる。

そう思っただけで、胸がじんとして涙が溢れそうになった。

私は自分の気持ちをもてあましていたのだと思う。

RYOさんに触れられて怖かったけど、RYOさんを嫌いになってはいなかった。



RYOさんは無理強いはしなかった。

突き放した言い方だったけれど、彼の言っていることは事実だ。



このときの私はまだ気づいていなかった。



心のどこかで彼に惹かれてしまっている自分自身に。

それも前よりももっと強く。