次の日から学校が終わるとそのままRYOさんのマンションへ向かう。

親には図書館で勉強しているから遅くなると伝えた。

誰一人疑うことはない。

「あまり無理しないでね」

前回の試験で順位を落としたことを、私が気に病んでいると思い込んでいる。

まさか、隣のマンションでバイトをしているなんてこれっぽっちも思っていないだろう。



合鍵をもらっているので、私は自由に出入りできる。

RYOさんもコンシェルジュたちに伝えているのだろう。

誰も不審がることはない。

「お帰りなさいませ」とにこやかに迎えられた。



部屋に入ると、テーブルの上にメモが置かれていた。



『アヤちゃんへ

ご苦労様。

今日、僕は仕事で遅くなるから、適当な時間で切り上げて帰っていいからね。

アヤちゃんの仕事は植木の水やりと、電話番。

暇なときは学校の勉強していいからね』