あれは小学3年生の頃の話

君と僕は仲が良かった。

その日はとても晴れていて、雲ひとつない日
俺と陽葵、陽葵のお母さん、俺の母さんでリボンランドに行った。

「リボンランド来るの私初めて」

「僕も、初めて来たよ」

「沢山遊具があるのね。楽しそう」

君は無邪気に笑っていた。

とても可愛く愛おしい存在だった。

「でもいいの?葵生くんママ旦那さんのことは」

「あらかた片ずいたから大丈夫。もう別居もしてるし、離婚届に判も押させたわ」

「そうならいいけど」

「私あれ乗りたい!」

「僕も!」

その時期、僕の家では父さんとの離婚で大変な時期だった。

父さんはお酒を飲むと暴れるし、他で女を作ってた。

でもなぜだか、俺の親権を欲しがってた。

きっと養育費目当てだと思う。

母さんと陽葵のお母さんは昔からの仲だったらしい。

傷心旅行としてみんなでリボンランドに出向いた。

そうして遊んでいたら細道を君は見つけた。

「私こっち行ってみたい」

「ダメだよ、母さんたちに怒られるよ」

「じゃぁ、一人で行くからいいもん」

「待って陽葵ちゃん!」

君は一人で進んで行った。

俺はその時止まっていた。行くべきか、行かないべきか。

そんな時、君の悲鳴が聞こえた。

俺は無我夢中で細道を走った。

そこには、小さな公園、遊園地と言ってもいいかもしれない。場所があった。

それがここの公園。

そこに一人の男と、倒れている君がいた。

「陽、、葵?」

「おお、葵生じゃないか!父さんは会いたかったぞ!さぁ邪魔な女も消えたことでここで思い残すこともないだろう?一緒に帰ろう、」

何を言っているんだ、お父さんは。

「陽葵!」

俺はひまりの元へ駆け寄る。

「酷いじゃないか、我が息子よ。そんな女なんかよりお父さんの方に来てくれよ。」

「ごめん、ごめん陽葵、俺があの時一緒に行っていれば、あの時止められたら、
ごめん、ごめん」

そんなことをずっと泣きながら言っていた。

異変に気づいた母さんたちが陽葵の持っていた携帯のGPSで見つけてくれて、父さんはそのまま警察署へと連行、陽葵は病院に行った。

俺の母さんは泣きながらずっと陽葵の母さんに謝罪していた。

ずっと、ずっと。

陽葵のお母さんはすごく怒っていて、もう顔も見たくないと母さんに言った。

だから小3の頃引っ越した。

陽葵は軽い記憶喪失になって俺のことを忘れた。というかあの日のことをわすれた。

中学生になってこの街によった時君を見つけた、君は笑うことなく、ツンとした態度でそこにたっていた。あの時の笑顔は君の笑顔は俺が消してしまった。そしてその時に志望校が聞こえてしまったんだ。

だからここに来た。

これが俺が知っている全部。