数日がたった、今日は新入生歓迎会があるらしい。

みんなは「いいね」をもらうために頑張ろう!とか言ってたな。

この学校では、セブンオーシャン社員と私たち生徒だけが見れる掲示板的なものがある。

そこに広報の方々が私たちの写真を載せて、社員さんのいいねの数で競う。

まぁ私には関係ないけど。

みんなが体育館に集まっている。

いろいろ説明があり、上からハート型の風船が降ってきた。

これをパートナーとハグで割って、中に入っている質問にお互い答えて仲を深めるらしい。

「浅葱くん早くやって終わらせよ」

「え?うん陽葵ちゃんはこういうの抵抗ないんだねー」

別にただ肌と肌が触れるだけだ。特に考えることもないと思うが。小さい子でもできるぞ?

浅葱くんが風船を持って近ずいてくる。

そして私と浅葱くんの距離が0になった。

人にハグされるのいつぶりだろう。暖かいな。そしてこれ、

思ったより恥ずかしい.........。

もしかして浅葱くんが抵抗ないの?って聞いてきたのこれのこと?

いやただ人と人がくっついているだけ、子供でもやっていること、落ち着け陽葵。

「なんかこれ、思ったより恥ずかしいね.....」

「そ、そうかな....?」

何だこの気まずい雰囲気は。

その時2人の間にあった風船がパンッと音を立てて割れた。中から紙が落ちてくる。

「これがおだいの紙か、えっと....」

「「初恋の人は....」」

「初恋かー陽葵ちゃんからどうぞ」

「私の初恋は....小学3年生の時、近くに住んでいた男の子....です」

私の初恋忘れるわけが無い。

あの日のことを

浅葱くんから返事が返ってこない。

しまった、わざわざ言う必要なかった。いないとか言えばよかったのに、

なんで私....言ってしまったのだろう。

初めて人に打ち明けた。あの人のことを。

「あの、浅葱くんやっぱ今のな「陽葵ちゃんもちゃんと自分のこと言えるんだね」

「え?」

「陽葵ちゃんって嫌なことは嫌って言えるし自分の事を、しっかり言える子だとは思うけど....なんか不安定なんだよねー」

「不安定....」

「そう!なんて言えばいいのか分からないけど....芯があるようで、ない。強そうで強くない....みたいな感じ?」

「そう見えるならそう見えるならそうなんじゃない?」

私はぶっきらぼうに返す。

芯がないそんなの自分がいちばんわかってる。

「ごめん私体調悪いから戻るね....じゃ」

「え?っちょっと待っ....陽葵ちゃん」