もうすぐ入学式、もう学校にいなくては行けない時間だ。私は珍しく焦っている。

白藍 陽葵(しらあい ひまり)は迷っている。

「はぁ、ここどこ」

入試で一度行ったから迷わないはずだと思っていたが、どこかで迷った。

携帯の充電も切れている。

寮生活の荷物は両親が持って行ってくれたから、身は軽いが、

初日から遅刻はまずい。

「本当にどうしよう...。」

とりあえず歩こう、そう思い私は歩き出した。


しばらく歩いていると、大通りに出た。

ここからなら人に聞けば行けるかもしれない。

そんなことを考えながら歩いていたら、同じ制服の男の子を見つけた。

だが、様子がおかしい。

女性に話しかけている?

あっ無視された。

まだ話しかけてる。

あっ叩かれた。痛そう

ていうか、あれナンパじゃない?

見るからにチャラそうだし、きっとそうだ。絡まれる前ににげよう。

そう思い、ナンパくんの居ない方に行こうとすると目が合ってしまった。

こっちに来る。

「君、同じ制服ってことは新入生?」

「はぁ、そうですが、ナンパっじゃなくて、あなたは先輩なわけは無いし、こんな時間にここにいていいんですか?」

私が行く学校は私たちの代しかない、なので「先輩がいる」ってことはありえないのだ。

「まぁ、それは君にも言えることだけどねー」

私は目線をそらす

「もしかして迷子?じゃぁ一緒に行こ、女の子が困ってたら助けるのが男の務めですから。」

ちょっと何を言っているか分からないが、一緒に学校に向かって歩く

「はぁ、私は迷子では無いですが、あなたこそこんな時間にここにいるってことは迷子だったんじゃないんですか?」

「え?俺はただ綺麗な女の人がいたから話しかけてただけだよ?」

「じゃぁ本当にナンパくんだったんですね。」

「あははッナンパくんって、面白いね君。」

「それはどうも」

ナンパくんに褒められても別に嬉しくない。

そんなことを話しながら歩いているといつの間にか学校の前に着いていた。

「そういえば君、名前なん「あっ!」

時間がやばいあと2分ほどで始まる。

「入学式に遅れるとまずいから私もう行きます。ここまでありがとうございました。それじゃ!」

入学式には何とか間に合ったがすごい疲れた朝だった。