「えっ!?」

確認すると、確かに私は1つズレた席に座っていた。

「あ、ほんとですね…すみません」

私は慌てて1つ後ろの席に座る。

「あの、私、江崎陽菜(えさきひな)って言います!」

「わ、私は大川莉都です。よろしくお願いします」

「莉都ちゃんって呼んでもいい?」

「うん!私も陽菜ちゃんで、いいかな?」

「うん!よろしくね」

女の子、陽菜ちゃんはホッとするような表情になる。

「莉都ちゃんって、どこ中?」

「私はね、卒業したのは西中だよ」

「え、西中って、遠くない?」

「うん。だけど、うちの親転勤族で、入学したとこは違うとこだよ」


なんなら、2年のときも違う。
でも、そんなことは言えない、かな。

「そうなんだ。あ、じゃあ…」