あと、数センチの距離。

 すると、カサカサと植物の木から音がした。






 あ……!そうだドッキリ……‼︎




 ドッキリって、自分がするんじゃなくて担当の人がやってくれるんだな。




 虹叶に見えないようにカンペみたいなのをあたしに見せてきた。



【私が出てきたら、ドッキリの雰囲気に合わせて「ドッキリでした〜!今まで言ったのは全部嘘でーす!」と明るく言ってください】




 む、むずっ……。



 ドッキリしたくないけどしなくちゃいけないもんな……。




 ぱっとドッキリ担当の人が、ドッキリ!と書いてあるものを持ってこっちに来た。



 【テッテレーン】という音がして、あたしもその雰囲気に合わせて言った。




「ド、ドッキリでしたー! 今まで言ったのは全部嘘……です……」




 嘘じゃないけど……!言わなきゃならんのだ。





「は……?」



 めっちゃ驚いている虹叶に苦笑いを返す。



「ごめんね。今日はミッションやっててさ」



「……なるほどな……」




 そう言う虹叶に、ドッキリ担当の人が小さい機械を虹叶の胸元から取った。




「にしても星出……。演技上手すぎだろ……」




 だ、だって告白なんかは本音とか言ったし……。





「あはは……。 でも、赤くなってる虹叶、可愛かったなー」




「……やめろ、恥ずかしい……」




 今日は虹叶の気持ちを知れて嬉しかったな。





 ミッションっていう形だったけどね……。




 ちょっとは希望がもてたし……。





 

 ねぇ、虹叶。







 いつかーーー本当の気持ちを本当の告白で言うからね。