あと、数センチの距離。

 虹叶はあたしがいない方を向いていて顔が見えないけど……。




 ま、まって……耳赤くなってない?




「に、虹叶? 耳赤いけど……大丈夫?」




「えっ……、い、いや別に大丈夫、だ」




 めっちゃ動揺してんじゃん……。




 もしかして……意識してくれてる?





 やばい……期待するなあたし。




 それでなんともないんだったら恥ずかしいぞ……。




 でも……嬉しいな。




 残りの30分は思いがけないほど、あっという間に終わった。




 その間も虹叶はずっとこの熱を離さず繋いでてくれたーーー。