「……」

俺は手のひらに爪が食い込むほどに
ギュッと握ってひたすら返事を待った。

こんな風に……

自分の気持ちをちゃんと伝えたのは……

初めてだった。

「…ふふっ……、」

その時。

あいつがなぜか笑った。

「何笑ってんだよ」

「いや…、声ちっさ。」

「お前なぁ……っ」

「……」