あいつはソファに寝転がって
煎餅を食べていて、

私はその隣を黙って素通りしようとするけれど
こっちもこっちで聞きたい事があって、
立ち止まる。

「あんたって、なんでここ入学したの。
しかも結婚科。」

私はぶっきらぼうにそう質問した。

彼は少し間を空けて
「……金。」と呟くと
真っ白な天井を見上げた。

「金……?」

「あぁ、金だよ金。
社長の座も貰えるし、
ここ来たら将来安泰だろ。」

「…けど、だったら
ゴールデンカップル。ならないと、でしょ?」

「あぁ、そうだな。」