宗ちゃんとわたしを未来永劫、つなぐ(きぼう)
細くても途切れることのない(みらい)
今はただ喜んでほしい。
わたしの中に紡がれた命を。

祈るように願った。宗ちゃんの淡い微笑みが瞼の裏に滲んだ。顔も知らない彼女の影が隅を掠めた。

「夜には宗が顔出すってよ」

ハンドルを操るお父さんがとぼけて言った。

昨日までぐずついて膿んでいた気持ちは、不思議と凪いでいた。もう何があっても倒れていられない。この子を守る為ならわたしは。

どんな嵐にも負けない鋼の花になる。

フロントガラスに弾けはじめた、小さな雨粒がワイパーに散らされていくのを見つめ。胸元に下がる指輪を服の上から握りしめる。ぎゅっと。