刺すように見据えられ、伏せ目がちに逸らした。想いを寄せた相手からだったら、こんなに胸を打たれる言葉もないのに。
「・・・広くんが前より大人になってて、昔とは違うんだって分かってるつもり。弟みたいに思ってたからとかじゃなくて、・・・わたしが宗ちゃんじゃないと駄目なの」
「そう思い込まされてきたんだろうが。だからお前は人形なんだよ」
「ちが・・・っ」
「先に教えといてやる、アイツを沖縄に連れ出したのは兄貴だぞ。テメェにベタ惚れの女はどうにでも利用できるからな。琴音を手懐けておきゃ、岸川の伯父貴も永征会を簡単には切り捨てられねぇ。ガキさえ出来りゃ、うちは安泰だ」
冷たい声だった。胃からなにかが逆流してきそうな悪心がする。
言葉の全部を鵜呑みにしたわけじゃない。でも嘘じゃない。嘘を吐く意味がない。
「惚れてもねぇ女をさんざん抱いた手でお前を抱いても、兄貴は何も言わせねぇんだろうが。テメェの人形は平気で笑えると思ってやがる」
朝倉君に穿たれた穴が、ひと回り大きく抉り取られ。渦を巻いた風が吹き込む。
「俺は死ぬほどお前を泣かす。好きなだけ泣かせてやる。我慢させねぇよ、何ひとつ」
伸ばされた指に顎を持ち上げられ視線がぶつかる。音がした。見えない火花が散ったような、爆ぜた音が。
「・・・広くんが前より大人になってて、昔とは違うんだって分かってるつもり。弟みたいに思ってたからとかじゃなくて、・・・わたしが宗ちゃんじゃないと駄目なの」
「そう思い込まされてきたんだろうが。だからお前は人形なんだよ」
「ちが・・・っ」
「先に教えといてやる、アイツを沖縄に連れ出したのは兄貴だぞ。テメェにベタ惚れの女はどうにでも利用できるからな。琴音を手懐けておきゃ、岸川の伯父貴も永征会を簡単には切り捨てられねぇ。ガキさえ出来りゃ、うちは安泰だ」
冷たい声だった。胃からなにかが逆流してきそうな悪心がする。
言葉の全部を鵜呑みにしたわけじゃない。でも嘘じゃない。嘘を吐く意味がない。
「惚れてもねぇ女をさんざん抱いた手でお前を抱いても、兄貴は何も言わせねぇんだろうが。テメェの人形は平気で笑えると思ってやがる」
朝倉君に穿たれた穴が、ひと回り大きく抉り取られ。渦を巻いた風が吹き込む。
「俺は死ぬほどお前を泣かす。好きなだけ泣かせてやる。我慢させねぇよ、何ひとつ」
伸ばされた指に顎を持ち上げられ視線がぶつかる。音がした。見えない火花が散ったような、爆ぜた音が。



