純・情・愛・人

意識が醒めた時、自分がどこにいるのか一瞬混乱した。駐車場の出口渋滞で、国道に出るまでけっこうかかったのは薄っすら憶えがあった。

その先で車から降りた記憶がないのに、実家の居間の天井を見上げている。二つ折りの座布団を枕に、着ていた服のまま毛布を被って。

「・・・!??」

跳ね起きて見回しても広くんはいない。寝てる間に帰ったんだろうか、どう考えても彼が運んでくれたとしか。お礼もちゃんとしてなかった・・・!

畳の上に茫然と座り込むわたしの耳に、ふと玄関先からの物音、廊下を踏む足音。キャップを脱いだ広くんが姿を見せる。

「起きたか」
  
「うん・・・」

「気分は?」

横に腰を下ろして胡坐をかいた彼から独特の匂いがする。煙草を吸いに表に出ていたらしい。

「大丈夫。・・・あの、広くん」

「なんだ」

「重かったでしょ・・・?」

恐る恐る。

「いつまでガキ扱いしやがる」

上から気圧された。

「お前とお前の人生、丸ごと抱えようが、どうってことねぇよ俺は」