純・情・愛・人

「・・・ああ見えて広くんは人見知りだから。広くんが大丈夫な人は、大丈夫」

「なんだソレ」

吹き出した彼がお腹を捩るように悶えているのを、何がそんなに可笑しいのかまるで分からない。

「有馬兄弟が園部に惚れてるワケ、分っかる気もすんなぁ」

まだ半分、笑いを堪えて言う。

「オレらをフツー扱いっつか、オレらん中でフツーすぎるっつか」

「?」

たしかに自分は普通の常識が通じる世界で生きているけど。意味を捉えかねて首を傾げると、朝倉君がガラス張りの向こうをふっと見やった。

「なぁ、気になんねぇ?宗吾さんが一緒になる女」

唐突で。一瞬、息を忘れた。彼が畳みかける。淡々と。

「向こうは園部を気にしまくりじゃねーの?あの人に『決めた女がいる』って言われちゃよ」

戻った視線とぶつかり、朝倉君の沈黙に促されて口を開いた。

「・・・・・・考えないようにしてる、のかな。見ないで済むなら現実は見たくないから」

「ナリフリかまってねーのはお嬢だけか。あっちが宗吾さんにベタ惚れなの、知んねーよな?」