純・情・愛・人

あの夜、お父さんに語りかけた宗ちゃんの言葉と不意に重なった。

『俺が薫にどれほど掬われて死ねるか、見届けてくれればいい』

非情な世界で悪魔に魂を売ることがあっても。わたしといる時だけは、綺麗なものを綺麗だと思える人の心を取り戻せるなら。宗ちゃんの目に優しく留まる花でいよう。

灼熱の太陽に焦がされても、叩きつける雨に打たれても、折れずにたおやかに、咲いていよう。

「・・・約束する。わたしは宗ちゃんのためにだけ生きるね」

宗ちゃんに優しい世界をあげるために。

「そのために出逢ったの、きっと」

頭の天辺に吐息が埋まり、もっと強く抱き込まれた。

「宗ちゃん苦しい」

「・・・我慢しろ」

見えないけど笑った気がした。

誰に祝福されるわけじゃない二人きりの誓いだった。してあげられることが何なのかを噛みしめた。

わたしと宗ちゃんの絆に割り込めるものなんてない。揺るぎなく信じて。