純・情・愛・人

ガレージの外にも並んだ数台のうち、スポーティなコンパクトカーに乗せられ、セキュリティが仰々しい正門から有馬の家を出る。

後部シートのわたしは無意識に溜息を吐いたらしい。ハンドルを操る朝倉君が前を向いたまま、「女もツレーわ」と同情めいた笑いをくぐもらせる。

「アレだ、コウキはテメーが不器用っつー自覚がねーのよ。園部にガチで惚れてんのはオレが保証すっけどな」

「広くんは宗ちゃんの弟だし、好きとか嫌いとかじゃ・・・。ぜんぜん気付かなくて驚いたっていうか、・・・逆にわたしが邪魔なのかと思ってた」

「ビミョーな男心っての?昔っから素直じゃねーからなぁコウは」 

その口ぶりに目を瞠った。

「朝倉君、広くんといつから知り合い?」

「中坊を卒業する頃だっけかー。つるんでたセンパイの紹介でよ、入る高校(ガッコ)教えたら目の色変えやがったんだわ。ソノベカオルコって女から目ェ離すなって、偉そーに抜かしたクソガキが永征会の息子っつーな」

初めよりどんどん砕けてきた彼。
予想外の告白に思考回路が進んだり後ずさったりの、わたし。

「ハツコイの幼なじみだかで、おまけにテメーの兄貴に惚れてるとか、けっこうエモくて気に入ってんだわ」