「青臭かったガキも、らしくなったろう?」
「・・・うん」
含み笑いを滲ませたおじさんにぎこちなく頷き返し、初めて広くんのアーモンドアイとぶつかる。撥ね付けるような冷たい眼差しを思い出して、すぐに逸らしたのは自分のほう。
「俺はこれから野暮用でな。送らせるからゆっくりして行きな」
つまり二人きり残される。・・・仕組まれた気もするけど、いい機会だったかもしれない。おじさんの思惑はどうあれ。
「まだ明るいし一人で大丈夫」
「大事な娘をひとりで帰せるかい」
ふっとほくそ笑み、やっぱり譲ってくれなかった背中を見送れば、さっきまでの和やかな空気がどんどん薄らいでく。ような。
思い切って広くんに視線を戻すと「久しぶりだね」と、緊張を隠して声をかけた。
開け放たれたままの障子戸の向こうには一面のガラス越しに、池に見立てた石庭が広がる。アーチ形の橋がかかり、夜は灯篭に明かりも灯る。折々の風情があって、とても好きな眺めだ。今は距離をどう測ろうか、外に目を移す余裕もない。
「・・・俺の顔は見たくなかったってツラだな薫子」
「・・・うん」
含み笑いを滲ませたおじさんにぎこちなく頷き返し、初めて広くんのアーモンドアイとぶつかる。撥ね付けるような冷たい眼差しを思い出して、すぐに逸らしたのは自分のほう。
「俺はこれから野暮用でな。送らせるからゆっくりして行きな」
つまり二人きり残される。・・・仕組まれた気もするけど、いい機会だったかもしれない。おじさんの思惑はどうあれ。
「まだ明るいし一人で大丈夫」
「大事な娘をひとりで帰せるかい」
ふっとほくそ笑み、やっぱり譲ってくれなかった背中を見送れば、さっきまでの和やかな空気がどんどん薄らいでく。ような。
思い切って広くんに視線を戻すと「久しぶりだね」と、緊張を隠して声をかけた。
開け放たれたままの障子戸の向こうには一面のガラス越しに、池に見立てた石庭が広がる。アーチ形の橋がかかり、夜は灯篭に明かりも灯る。折々の風情があって、とても好きな眺めだ。今は距離をどう測ろうか、外に目を移す余裕もない。
「・・・俺の顔は見たくなかったってツラだな薫子」



