純・情・愛・人

心の中はまだ仕舞いきれない思いが散らばって。なにをどう伝えたらいいのか分からない。本当はうずくまって泣きたい。

広くんはそれを赦さない。お前が胸張らねぇでどうすんだよ。覚悟を問われた気がした。

ああそうだ。宗ちゃんに寄り添い伸びていた未来(みち)を自分から外れた。広くんの人生を分けてもらう未来(みち)を自分で選んだ。お腹の底に小さく力を込めた。

広くんの手は当たり前にあるんじゃない。失くしたくないなら、ただ素直に言えばいい。

「・・・助けてくれてありがとう」

区切りをつけるようにひとつ、息を深く逃す。

「隣りにいてくれて、ありがとう」

だから報いたいと願う。広くんの思いに。

「大地とわたしの太陽になってくれて・・・ありがとう。広くんじゃなかったら」

ほかの誰もなれなかった。

「・・・あきらめてた。広くんだから信じられた。だから、これからも広くんがいてくれたら、わたしは大丈夫だって思・・・」

「いい、・・・黙っとけ」

頭を抱き寄せられて広くんに寄りかかる。言葉より穏やかな指先に、自然と唇から零れた。

「広くん」

沈黙で返る。

「・・・待っててね」

もう少し。

「今さらだろが」

なにを、とも訊かない広くんの優しさが、鼻の奥でつんと染みた。