純・情・愛・人

『俺は極道を捨てる。捨ててコイツの道連れになる』

逆巻く頭の中で必死に答えを繋いでいく。

広くんが大地の父親になる。跡継ぎにさせないため?わたしと結婚して園部広己になる?だけど、だってわたしはまだ宗ちゃんを。ぜんぶ承知のうえで?

「ふざけるなッッ」

激昂した宗ちゃんが横から広くんの上着に掴みかかったのを、回路がショートしたみたい声すら出せない。止められない。

「朝倉も二人まとめて沈めるぞ!!ただで済ませるかッ」

「吠えても遅ぇよ。惚れた女を追い込んだのは結局兄貴じゃねぇのか」

「黙れ・・・!!」

火に油を注いでなお冷静なのは広くんだった。怒りのあまり形相を変えた宗ちゃんの指を力尽くで引き剥がすと、凄んで返す。

「勘違いすんな。選んだのは薫子で、選ばせたのはテメェだ兄貴」

刺すような怒気が一気に膨れ上がり、たまらず小さく悲鳴をあげた刹那。

「もうよせや、カオルが怯えてら」

怒鳴ったわけじゃないのに、空気を呻らせて響いたお父さんの一声。

「なぁ宗よ。オレが別れさせなかったのは、今どき極道背負(しょ)って生きづれェ宗に、日影の身でも添い遂げてぇって、娘の一途にほだされたからでよ。岸川のお嬢と一緒になったのも跡取りのためなら、しょうがねぇやな」