純・情・愛・人

「・・・これからも何も変わらないぞ、俺の帰る場所は」

静かな響きに視線を持ち上げた。
揺らぎのない宗ちゃんの眼差し。

わかってる。宗ちゃんは誰よりわたしを愛してくれてる。・・・同じくらい大地を愛してくれていたら。当たり前に永征会を背負わせたいって思った・・・?

「わたしも宗ちゃんにあげたかったものは変わらない。なにも変わってない、・・・でもね」

「大地を極道にはしたくない、か」

「・・・大地の人生は自分で決めさせてあげたい。親がレールを敷くんじゃなくて」

「俺の子に生まれた以上、極道はついて回る。いずれ大地もここしかないことが分かってくる。初めから見せてやった方がいい、大地の為にもな」

“やくざの息子”という烙印から逃れられない。そう聞こえた。

「子供のうちは何でも好きにさせてやればいい。大地に、俺と縁を切ってでも譲れないものができたら、黙って行かせるくらいの度量は持ち合わせているつもりだぞ。・・・その時は有馬を捨てて園部に戻ればいい」

未来をすべて奪うつもりはない。優しく聞こえた。

「相変わらずキレイごとしか並べねぇな、兄貴は」

目の前に。見えない背中が立ち塞がって遮らなかったら。

こぼれ落ちてたかもしれない、YESの一言が。