純・情・愛・人

希望と絶望が()い交ぜにせめぎ合う。
同席を断る選択肢もある。逃げてどうにかなるのならそうする。

「・・・考え直してっておじさんにも頼まないと」

「親父も兄貴にノセられてんだよ」

「永征会の跡継ぎを生むのは琴音さんでしょ・・・っ。じゃあどうして結婚したの?勝手すぎる・・・!」

畳み途中のロンパースを鷲掴み、つい声を荒げた。

わたしはただ。宗ちゃんが、嫌なことを忘れて心から安らげる場所を作ってあげたいだけだった。ここで、誰とも変わらない普通の家族になるんだと思っていた。

琴音さんを他人と呼んだ。大地が愛するわたしの子だから継がせたいと言った。今まで宗ちゃんが望むことを叶えなかったことは一度だってなかった。

わたしが唯一望む幸せを取り上げないで欲しいと願うのは、それでもただの我がままなんだろうか。

「俺が言えた義理じゃねぇけどな、極道を真っ当扱いすんな」

広くんの言葉があちこちぶつかり、自分の中に落ちてくる。

「親父も兄貴も、所詮カタギが敵う相手じゃねぇぞ。俺の言うことが脅しに聞こえてんなら、とっとと大地は渡しちまえ。兄貴の人形でいりゃお前も楽だろ」

角の尖ったつぶてに引っ掻かれたような、チリチリとした痛みを散らして。