何ヶ月かたち、クラスにも馴染めて、友達もそれなりに出来た。

今日は雨だ。


「最悪すぎる・・・傘持って来てない・・・」

私は傘を持つことが嫌いだ。折りたたみも基本持ってない。

傘大きいし、邪魔だし。

朝降ってても、少しなら、ささずに行ってしまう。

途中まではまいまいがいるから大丈夫だけど・・・。

途中からはどうしたものか。そんなことを考えていたら、帰りの時間になってしまった。とりあえず帰りながら考えよう。

最悪濡れてもいいや。

「まいまい傘忘れたからいれてー」

「もうしょうがないなー」

「相合傘だね!」

「はいはい、帰るよー」

冗談混じりに話しながら今日もいつもの3人で帰る。


数分がたち、もうまいまいと別れなければいけない。


「まいまいーこっちから帰ろうよー」

「やだよ、そっち遠回りだもん。はるとに傘入れてもらいなーまたね」

「えーー」

まいまいと別れて、私は今濡れている。

さすがにはるとの傘に入る訳にはいかない
し、まぁ、あと少しの距離だしいいかと思いながら、歩く。

「傘使っていいよ、俺は濡れて帰るから」
はるとに言われた。

あのはるとが人に傘を貸すなんて…感動。じゃなくて

「え?いやいいよはるとの傘じゃん!」

「いやいいよ、濡れてるの見ると心苦しいから、使って」

「いやいいよ、雨に濡れた髪から、水が落ちて来て前見えなくなるの楽しいし!」

「へーそうなんだ。じゃあ俺もそれ体験したいから、持ってて傘」

「え?あっわかった」

そうして傘を受け取った。この時はほかの話にしようと思って変えたはずなのに、体験したいのかー、としか思わず受け取ってしまった。

「確かにこれは面白いかも。」

「でしょ?終わったなら傘返すね」

そうして傘を返そうとした。だが、受け取ってくれない。

「私もはるとが濡れてるの、心苦しいからはるとが使って」

「俺は濡れたいから大丈夫!」

ここまで言われたらご好意に甘えようと思い、使わせて貰った。

その日は家の前まではるとが来てくれた。
続く