想像していたよりはやくバスをおりて、ほんの少し歩いた。
「…………」
そこには、言葉をわすれるくらい綺麗なお花畑とイルミネーション。
「もこちゃんお散歩しよっ」
くいっと絡められた指は……恋人繋ぎに。
「うん……」
まだ頭がぽやぽやしたまま一歩、また一歩と足が動く。
赤色に黄色……白……きれい
静かな夜に光る花はとても。
「……っ」
暗くてよかった。
涙を隠してくれるから。
わうくんと過ごす初めてのクリスマス。
高校生最後のクリスマス。
だからすごく、すっごく思い出に残るような、楽しい日にしようって思ってたのにうまくいかなくて落ち込んでた。
結局プレゼントも買えなかったし……
でも、もったいよね、わうくん。
「っ……きれいだね、わうくん」
「もこちゃんがいるなら、きれいだよ」
わうくんの笑顔は、暗くてもよく見えるんだね。



