「もこちゃん、俺お散歩行きたい」



ふたりで洗い物をして、のんびりテレビを見ていたとき、ふいにわうくんが言った。



「ん?いいよ……いまから?」



もう外は暗くなり始める夕暮れ時。

いつもならそろそろ帰るって言う頃だったからびっくりした。



「もこちゃんのお父さんとお母さん、いつ帰ってくる?」

「今日は……20時30分くらい、かなぁ」

「いまは18時00だから……うん、大丈夫」

「どこ……いくの?」

「……ナイショ」



わうくんは、きゅっと口をつぐむ。


なんだろう……



「ふふっ……ナイショね」



……すごく、ドキドキする




手を繋いでバスにのり、後ろから二番目の窓側の席に座る。

窓の外はもう真っ暗。

こんな時間まで一緒にいられる、いまからお出かけ。

うれしくて、わうくんの肩に頭をくっつけた。



「もこちゃん寒い?」

「ううん……あたたかい」

「そっかっ」